2011年3月7日月曜日

端末の基本的な操作

【テーマ】
私を含め、Ubuntu の初心者が最初に躓くのは、端末の操作であることに昨日気づきました。ということで、今回は端末の基本的な操作を紹介します。それにしても…見にくい。

【参考・出典】
第4回 Linuxコマンド入門:ITpro
・Ubuntu Magazine Japan Vol.03 はじめてのコマンド&端末入門



起動と表記
端末ターミナルコンソール)は、Windows でいうところの「コマンドプロンプト」に当たります。Ubuntu では、ほとんどの操作は GUI で行えますが、端末を使えば一括して処理を実行できるなどの利点があります。

端末を起動するには、パネルからアプリケーションアクセサリ端末と選択します。

端末が開くと、次のような文字列が表示されています:
momiage@ubuntu:~$

これは、
(ユーザー名)@(マシン名):(カレントディレクトリ)$
という書式になっています。

☞(ユーザー名)は、その時に端末上で作業しているユーザー名を表します。例えば、 su コマンドで "management" というユーザーに切り替えると、この部分が "management" に変化します。はじめは、現在 Ubuntu にログイン中のユーザーとして端末が起動します。
momiage@ubuntu:~$ su management⏎(Enter キーを押す)
パスワード:
management@ubuntu:/home/momiage$

☞(マシン名)は、端末上での操作の対象になっているマシン名を表します。

☞(カレントディレクトリ)は、端末上でのファイル操作の対象になっているディレクトリ(フォルダ)を表しています。記号「~」(チルダ)は、ホームフォルダ(※1)の位置を表していて、はじめはホームフォルダがカレントディレクトリになっています。ファイル操作以外のコマンドを実行する場合は、この部分が何であっても構いません。

例えば、 cd コマンドで "/media" というフォルダに移動すると、この部分が "/media" に変化します。
momiage@ubuntu:~$ cd /media
momiage@ubuntu:/media$

※1…ユーザーごとに割り当てられる専用のフォルダで、Windows でいうところの「マイドキュメント」フォルダにあたります。/home/〈ユーザー名〉/というフォルダです。

☞記号「$」は「ユーザーからの指示待ちを表す」とされていますが、「"(ユーザー名)@(マシン名):(カレントディレクトリ)$" が表示されているときが指示待ちである」と憶えるとよいでしょう。なお、Enter キーを押すことでコマンドが実行されます。

端末上での注意点
  • Linux で使うフォルダの区切り文字は「/」(スラッシュ)です。
  • 大文字と小文字が区別されます(コマンドのオプションには "-a" や "-A" があり、それぞれ別の働きをします)。
  • スペースも正しく入力します。
  • 端末で入力したパスワードは表示されませんが、入力されています。
  • 隠しファイルやフォルダは通常は表示されません(表示するには)。
  • 空白を示すには "" と入力します(¥の後に半角スペースがあります)。

ディレクトリの構造
 Windows で「マイコンピュータ」を開いてみると、HDD の C ドライブ・D ドライブ、CD/DVD の E ドライブ…などがあります。C ドライブの中には "Windows" というフォルダが、E ドライブの中には "Sample" というフォルダがあります(下図)。このようなフォルダのツリー構造をディレクトリツリーと呼びます。Windows ではドライブごとにディレクトリツリーをもちます


Windows がドライブごとにツリーをもつのに対して、Linux ではルートディレクトリ( / )を頂点とする唯一のツリーをもちます。マウントした内蔵・外付けの HDD や USB フラッシュメモリなどは、(位置的には) / 以下にある media フォルダ内に繋がります。


マウントしたメディアへは、パネルから場所コンピュータと選択してもアクセスできますが、マウントしたメディア内のファイルやフォルダに端末からアクセスするには、パス表記を使う必要があります。

(例)マウント済みの USB メモリ(ラベル:BUFFALO)内のフォルダ "Office" に移動(cd)する。
momiage@ubuntu:~$ cd /media/BUFFALO/Office

ファイルやディレクトリの指定
ファイルやディレクトリを指定する表記の仕方には2つあります。
  • 絶対パス指定…ファイルやディレクトリの位置を省略せずに指定する方法です。例えば、 "momiage" というユーザーのホームフォルダ内にあるフォルダ "Folder" を絶対パスで指定すると、 "/home/momiage/folder/" となります。
    momiage@ubuntu:~$ cd /home/momiage/Folder
    momiage@ubuntu:~/Folder$

  • 相対パス指定…カレントディレクトリを基準にして、ファイルやディレクトリの位置を指定する方法です。カレントディレクトリが、「~」(/home/momiage/)であれば、 "Folder" と指定するだけで済みます。
    momiage@ubuntu:~$ cd Folder
    momiage@ubuntu:~/Folder$

オプションの指定
オプションとは、コマンドにより細かな動作をさせるための文字列です。
例えば、フォルダの内容を一覧表示するための ls というコマンドがあります。これをそのまま実行するだけでは、隠しファイル・フォルダは表示されませんが(例1)、 -a というオプションをつけることで隠しファイル・フォルダ(先頭が「.」(ドット)のもの)も表示されるようになります(例2)。
オプションは、「-」(ハイフン)からはじまる1文字であることが多く、また、コマンドとオプションの間にはスペースをいれます。

(例1)ホームフォルダの内容を一覧表示(隠しのものを含めないで)
momiage@ubuntu:~$ ls
ビデオ    ダウンロード    ピクチャ   テンプレート    ミュージック    (後略)

(例2)〃(隠しのものを含めて)
momiage@ubuntu~$ ls -a
.ICEauthority    .adobe    .anthy   .apport-ignore.xml    (後略)

パラメータの指定
パラメータとは、コマンドに与える値のことです。「引数(ひきすう)」とも呼ばれます。

(例1)Firefox で Google の Web ページを開く:
$ firefox http://google.co.jp/

(例2)画像ビューアで、"ピクチャ"フォルダ内の "dog.jpeg" という画像を開く:
$ eog /home/momiage/ピクチャ/dog.jpeg

"http://google.co.jp" や "/home/momiage/ピクチャ/dog.jpeg" の部分がパラメータです。

特権を必要とするコマンドの実行
特権を必要とするコマンドを実行するときは、コマンドの先頭に sudo を付加します。
(例) "/usr/share/backgrounds" というフォルダ内に "Nature" というサブフォルダを作成する。
momiage@ubuntu:~$ sudo mkdir /usr/share/backgrounds/Nature

sudo を付加せずに実行すると、下のように出力されます:
momiage@ubuntu:~$ mkdir /usr/share/backgrounds/Nature
mkdir: ディレクトリ `/usr/share/backgrounds/Nature' を作成できません: Permission denied
momiage@ubuntu:~$

コマンド入力の補完
・Tabキーを使って
コマンドやサブコマンド、ファイル名やディレクトリ名などパラメータの入力中に Tab キーを押すと、入力を補完することができます。
候補が一つしかない場合はそのまま入力され、候補が二つ以上ある場合は下に候補が表示されます。

・historyコマンドを使って
history コマンドを実行すると、今まで使ったことのあるコマンドが一覧表示されます。
momiage@ubuntu:~$ history
 1 pwd
 2 mkdir Test
 3 ls



またはキーを押して、再利用したいコマンドを選択します。そのまま Enter キーを押して実行するか、内容を修正してから実行します。

修正するには、またはキーを押してカーソルを移動します。BackSpace キーでカーソル前の文字を削除し、Delete キーでカーソル位置の文字を削除します。
momiage@ubuntu:~$ history
⇒ここでBackSpace キーを押すと、hisory("t"を削除)
⇒ここでDelete キーを押すと、histry("o" を削除)